LINUX SERVER GUIDE 01 / 04

Windows 11でLinuxを動かす準備|PCの確認とVirtualBoxの導入

Windows 11VirtualBox 7.2環境準備

Windows 11のPCでLinuxを学ぶ準備を、CPU・メモリ・仮想化の確認から説明します。VirtualBoxの入れ方、AlmaLinux 9のISOの選び方、ダウンロード後の確認まで、初めての方が順番に進められる手順です。

学習ガイドの目次 第1回 / 全4回
  1. 01自分のPCを準備する目安:45分
  2. 02Linuxをインストールする目安:60分
  3. 03WindowsからSSHで接続目安:25分
  4. 04Apacheでページを表示目安:30分

目的別ガイド

この記事のゴール

自分のPCの条件を確認し、VirtualBoxとAlmaLinuxのインストール用ファイルを用意する。

前提:Windows 11のPCを普段使っていれば始められます。

この記事の目次

今回は「Linuxを入れるための準備」まで

VirtualBoxを使い、Windows上に学習用の仮想マシン(VM)を1台作ります。仮想マシンは、ソフトウェアで作る仮想的なコンピューターです。この中にLinuxをインストールして実習します。

用意するもの役割
Windows 11のPCVirtualBoxを動かす側のPCです。このPCをホストと呼びます。
VirtualBox仮想マシンの作成・起動に使うソフトウェアです。
AlmaLinuxのISOLinuxをインストールするためのファイルです。

ホストで動くWindowsをホストOS、仮想マシンで動くAlmaLinuxをゲストOSと呼びます。Linuxのインストール先には仮想ディスクを使います。これは、Windows上のファイルを仮想マシンのディスクとして扱う仕組みです。

今回はPCの条件を確認し、VirtualBoxとISOを用意するところまで進めます。ISOのダウンロード時間は、回線速度によって変わります。

PCの種類・メモリ・空き容量を確認する

  1. Windowsのスタート → 設定 → システム → バージョン情報を開きます。
  2. 「システムの種類」にx64ベース プロセッサと表示されることを確認します。「ARMベース」と表示される場合は、この連載の構成とは異なります。
  3. 同じ画面の「実装RAM」を確認します。
  4. エクスプローラーの「PC」を開き、仮想マシンを保存するドライブの空き容量を確認します。通常はCドライブです。
項目この連載の目安
PCのメモリ16GB以上を推奨
ドライブの空き容量60GB以上を推奨
インターネットインストーラ・ISOの取得と、Linuxの更新に使用
Windowsの権限VirtualBoxのインストール時に管理者権限が必要

この数値は、Windowsを使いながらLinuxへメモリ4GBを割り当てるための実習上の目安です。保存容量には、ISOと、仮想マシンを以前の状態へ戻すための記録(スナップショット)も見込んでいます。製品の最小要件とは異なります。

仮想マシンの起動中は、割り当てた分だけWindowsや他のアプリで使えるメモリが減ります。

PCのメモリが8GBの場合は、次回作る仮想マシンのメモリを2GBにするなどの調整が必要です。仮想マシンは1台だけ起動し、使っていないアプリを閉じて進めます。ドライブの空き容量が足りない場合は、先に保存先の容量を確保しましょう。

「仮想化」が有効か確認する

仮想マシンを動かすために、CPUの仮想化機能を使います。まずWindowsの画面で、有効になっているか確認します。

  1. Ctrl + Shift + Escを押し、タスク マネージャーを開きます。
  2. 「パフォーマンス」を選び、「CPU」を開きます。
  3. CPUの情報欄にある「仮想化:有効」を確認します。

「有効」なら、この確認は完了です。「無効」の場合は、PC本体の設定画面であるUEFI/BIOSで、仮想化機能を有効にします。

WindowsにVirtualBoxをインストールする

  1. OracleのVirtualBoxダウンロードページを開きます。
  2. Base Packagesの表から、WindowsのWindows Installerを選びます。この連載はVirtualBox 7.2系の画面を前提にしています。
  3. ダウンロードが完了したら、エクスプローラーの「ダウンロード」から、名前がVirtualBox-で始まり、-Win.exeで終わるファイルを開きます。
  4. Windowsの確認画面では、Oracleのインストーラであることを確かめて進めます。管理者のユーザー名やパスワードを求められ、承認できない場合は、PCの管理担当者にインストールを依頼します。
  5. 画面の案内に沿って進みます。インストール先は、通常、最初に表示されるフォルダーを使います。
  6. インストールを終え、スタートメニューからOracle VirtualBoxを開きます。仮想マシンを管理する画面が開けば、この段階は完了です。

ネットワークの再設定や一時的な切断について確認が表示された場合は、オンライン会議やファイル送信などが終わってから続けましょう。

Extension Packは、この連載の実習では使用しません。VirtualBoxへ追加機能を入れるためのものです。ここでは本体のBase Packageをインストールすれば準備できます。

AlmaLinux 9のDVD ISOをダウンロードする

ISOイメージは、DVDなどのディスクの内容を1つのファイルにまとめたものです。今回はAlmaLinuxのインストーラを含むISOをダウンロードし、次回VirtualBoxで読み込みます。

  1. AlmaLinuxの公式ダウンロードページを開きます。
  2. バージョンはAlmaLinux OS 9を選びます。ページを開いた直後は、AlmaLinux 10など、別のバージョンが選ばれている場合があります。
  3. CPUの種類はx86_64(Intel/AMD 64-bit)を選びます。
  4. ISO ImagesのDVDを選び、ファイルを保存します。
  5. ダウンロードが完了するまで待ちます。ダウンロード中のファイルは、インストールに使えません。

資料確認時の9系の安定版は9.8です。ファイル名はAlmaLinux-9.8-x86_64-dvd.isoのようになります。今後9系が更新されると、この番号も変わります。試験公開版のBeta/RCは選ばず、安定版を使います。

ファイル名の部分確認する内容
9.xこの連載で扱うAlmaLinux 9系
x86_64今回のIntel/AMDのPCに対応する種類
dvd.isoインストールに使うソフトウェアを収録したDVD版のISO

DVD版も、VirtualBoxではISOファイルのまま読み込めます。次回はインストール方法としてMinimal Install(最小構成)を選び、実習に必要なソフトウェアを後から追加します。

ダウンロードしたISOを確認する

公式ページには、ISOのハッシュ値が掲載されています。ハッシュ値は、ファイルの内容から一定の計算方法で求める値です。今回はSHA-256という計算方法を使い、ダウンロードしたISOの値と公式の値を比べます。

  1. 公式ページで、選んだ9系・x86_64・DVDのSHA-256の値を確認します。CHECKSUMファイルが用意されている場合は、その中から同じファイル名の行を探します。
  2. Windowsのスタートを開き、PowerShellと入力して起動します。PowerShellは、Windowsでコマンドを入力・実行するためのツールです。ここでは管理者として起動する必要はありません。
  3. 次のコマンドのファイル名を、自分がダウンロードした名前に合わせて実行します。
入力ISOのSHA-256を計算する
実行場所
Windows(PowerShell)
アカウント
現在のWindowsユーザー
権限
通常
Get-FileHash -Algorithm SHA256 "$env:USERPROFILE\Downloads\AlmaLinux-9.8-x86_64-dvd.iso" | Format-List Algorithm,Hash

$env:USERPROFILEは、現在のWindowsユーザーのフォルダーを表します。「ダウンロード」以外にISOを保存した場合は、コマンド中のファイルの場所(パス)も変更します。

エクスプローラーでISOを右クリックし、「パスのコピー」を選びます。コマンド中のファイルパスを、前後の引用符も含めて、コピーした文字列に置き換えてください。コピーしたパスに引用符が付いていれば、追加は不要です。パスの先頭と末尾に引用符が1つずつあることを確認します。

計算が終わったら、表示されたHashの64文字と公式の値が一致するか確認します。英字の大文字・小文字は区別しません。別バージョンやBoot ISOの値と取り違えないよう、ファイル名も見比べてください。

一致しない場合は、確認しているバージョンとファイル名を見直します。それでも一致しなければ、公式ページからISOをもう一度ダウンロードします。確認を終えたら、次回は仮想マシンを作ってLinuxをインストールします。

  • VirtualBoxの管理画面を開ける
  • AlmaLinux 9系・x86_64・DVDのISOを保存した
  • ISOのSHA-256が公式の値と一致した
  • ISOの保存場所と、仮想マシン用の空き容量を確認した

準備で止まったときの確認先

困ったこと最初に確認すること
インストールが組織の設定で禁止されるPCの管理担当者へ相談します。制限を回避するための設定変更は行いません。
VT-x/AMD-Vに関するエラーが出るCPUの仮想化設定、VirtualBoxのバージョン、エラーメッセージの全文を確認します。「仮想化:有効」でも、他の仮想化機能との組み合わせが関係する場合があります。
ハッシュ計算でファイルが見つからないダウンロード完了、保存先、実際のファイル名を確認します。バージョン番号だけでなく、末尾のdvd.isoも見比べます。
PCが重くなるタスク マネージャーでメモリの使用量を確認します。起動する仮想マシンは1台にし、メモリを割り当てすぎないようにします。

この段階でLinuxのログイン画面が出ていなくても問題ありません。今回は、VirtualBoxとLinuxのインストール用ファイルを用意するところまでです。

できたことを確認

  • PCがIntel/AMDのx64で、仮想化が有効になっている
  • 仮想マシンへ割り当てるメモリと、保存先の空き容量を確認した
  • WindowsでVirtualBoxを開ける
  • AlmaLinux 9系・x86_64・DVD ISOのダウンロードとSHA-256照合を終えた

参考資料・対象環境

この教材の対象と確認状況

Windows 11(Intel / AMDの64bit PC)、VirtualBox 7.2系、AlmaLinux 9系を対象にしています。2026年11月8日時点の公式資料を確認して作成しています。画面名はバージョンや表示言語で異なる場合があります。

掲載した出力は読み方を示す表示例です。この版はWindows実機で全手順を通した動作確認は未実施です。研修で使用する前に、ご利用のPC環境で事前確認をお願いします。

AZWorkが独自に構成した実習ガイドです。体系的に学ぶ参考資料として、LPI-JapanのLinuxサーバー構築標準教科書もご覧ください。