LINUX SERVER GUIDE 02 / 04

VirtualBoxにAlmaLinux 9をインストールする|初回起動とsudoの確認

AlmaLinux 9VirtualBox 7.2インストール

VirtualBoxで仮想マシンを作り、AlmaLinux 9を手動でインストールします。メモリやディスクの設定、ユーザーの作成、コンソールでの初回ログインから、sudoの動作確認とスナップショットの保存まで解説します。

学習ガイドの目次 第2回 / 全4回
  1. 01自分のPCを準備する目安:45分
  2. 02Linuxをインストールする目安:60分
  3. 03WindowsからSSHで接続目安:25分
  4. 04Apacheでページを表示目安:30分

目的別ガイド

この記事のゴール

AlmaLinuxへlabuserでログインしてsudoを使えることを確認し、実習前の状態をスナップショットとして保存する。

前提:第1回「自分のPCを準備する」までの設定が済んでいること。

この記事の目次

学習用の仮想マシンを1台作る

前回用意したVirtualBoxとAlmaLinux 9のDVD ISOを使い、Windows上の仮想マシンへLinuxをインストールします。WindowsでVirtualBoxを開き、Home → New(新規)へ進みましょう。

設定項目が1画面にまとめて表示される場合は、Basic表示へ切り替えます。項目を順番に設定できる画面になります。

項目この実習の設定
VM Name/名前linux-lab
VM Folder/保存先空き容量を確保したPC内のフォルダー。通常は最初に表示される場所を使います。
ISO Image前回取得したAlmaLinux 9系・x86_64・DVDのISO
OSの種類64bit版のLinux。自動検出されない場合はRed Hat系の9.x/64bitを選びます。
自動インストール使わず、手動でインストール
Base Memory/メモリ4096MB(4GB)。PC全体のメモリが8GBの場合は2048MBを目安に調整します。
Processors/割り当てるCPUの数2。ホスト(Windowsを動かしているPC)の論理プロセッサ数(スレッド数)の半分を超えないようにします。
Disk Size/ディスク容量新しい仮想ディスクを作成し、上限を30GB、割り当て方式を動的に拡張する方式にします。
Use EFI有効。仮想マシンの起動方式として使います。

動的に拡張する方式では、Linuxで使った分に応じて、Windows側の仮想ディスクファイルが大きくなります。上限の30GBに加え、後で保存するスナップショットの分も空き容量が必要です。

NATを確認して、インストーラを起動する

  1. 作成したlinux-labを選び、Settings(設定)→ Network(ネットワーク)を開きます。
  2. アダプター1が有効で、接続方法がNATになっていることを確認します。この実習では、仮想マシンのネットワークアダプターを1つだけ使います。
  3. 設定を保存し、Start(起動)を押します。
  4. AlmaLinuxの起動メニューで、Test this media & install AlmaLinux 9.xを選び、Enterを押します。インストール用ISOの検査が終わるまで待ちます。
  5. 言語選択画面ではEnglish → English (United States)を選び、Continueへ進みます。

NATは、仮想マシンがホスト側のネットワーク接続を使って外部と通信するための接続方式です。今回はLinuxからインターネットへ接続するために使います。WindowsからLinuxへ接続して操作する設定は、次の記事で追加します。

この連載では、Linuxのメッセージとコマンド結果を英語にそろえます。以下では、画面の英語名に日本語の説明を付けて案内します。

インストール先・キーボード・ネットワークを設定する

Installation Summary(設定一覧)から、次の項目を1つずつ開きます。各画面の設定を終えたら、左上のDoneで一覧へ戻ります。

Installation Destination:インストール先

VirtualBoxで作成した30GBの仮想ディスクを選びます。名前はVBOX HARDDISKなどと表示されます。Storage Configuration(ディスク領域の割り当て方法)はAutomatic(自動)を選び、Doneで戻ります。選んだディスクの容量が、先ほど設定した30GBと一致することを確認してください。

Software Selection:インストールするソフトウェア

Base EnvironmentでMinimal Install(最小構成)を選びます。追加ソフトウェアは選択せずに進めます。この構成にはデスクトップ画面がなく、インストール後は文字で操作します。実習に必要なソフトウェアは、後から追加します。

Keyboard:使っているキーボード

日本語キーボードなら「+」からJapaneseを追加し、一覧の先頭へ移動します。使わないEnglish (US)は削除しても構いません。テスト欄で@や:を入力し、キーに書かれた文字と一致するか確かめます。USキーボードならEnglish (US)を使います。

Network & Host Name:ネットワークとホスト名

表示されたEthernet(ネットワーク接続)を選び、接続をONにします。Host Nameにlinux-labを入力し、Applyが表示される場合は押します。これは、Linuxを識別するための名前(ホスト名)です。IPアドレスは、ネットワーク設定を自動で受け取るDHCPを使って取得します。

Time & Date:時刻

地域をAsia/Tokyoにします。Network Timeが利用できる状態ならONにし、時刻を合わせます。

Installation Sourceは、選んだDVD ISOがLocal mediaとして認識されていれば、そのまま進めます。Security Profileなど、ここで変更を指定していない項目は初期設定を使います。

sudoを使える「labuser」を作る

User Creation(ユーザーの作成)を開き、次の内容を設定します。ここではLinuxへログインするためのアカウントを作ります。

項目設定
Full nameLinux Lab Userなど、分かりやすい表示名
User namelabuser
Make this user administratorチェックを入れる
Require a password to use this accountチェックを入れたままにする
Password/Confirm password自分で決めた実習用パスワードを、2回入力する

Make this user administratorには必ずチェックを入れます。これでlabuserからsudoを使えるようになります。sudoは、必要なコマンドを管理者権限で実行するために使います。普段はlabuserとして操作し、ソフトウェアのインストールなど、システムを変更するときに使いましょう。

rootは、Linuxのシステム全体を管理するための特別なアカウントです。Root Passwordでは、rootアカウントをロックした状態のまま進めます。この連載では、labuserとそのパスワードでログインし、必要なときにsudoで管理者権限を使います。

  • インストール先が作成した30GBの仮想ディスクになっている
  • Software SelectionがMinimal Installになっている
  • User nameがlabuserで、Make this user administratorにチェックがある
  • labuserのパスワードを覚えている、または安全に保管した
  • Ethernetが接続され、ホスト名がlinux-labになっている

確認を終えたらBegin Installationを押します。完了後はReboot Systemで再起動します。

コンソールからログインし、sudoを確認する

VirtualBoxが表示する仮想マシンの画面を、コンソールと呼びます。ここからは、このコンソールでLinuxを操作します。Minimal Installでは、黒い画面にlinux-lab login:などと表示されるのが正常です。

  1. login:にlabuserと入力し、Enterを押します。
  2. Password:が出たら、作成したパスワードを入力してEnterを押します。入力中は文字も「*」も表示されません。
  3. 次のような、コマンド入力を待つ表示が出ればログイン成功です。
ログイン後の表示例 入力不要
[labuser@linux-lab ~]$

この入力待ちの表示をプロンプトと呼びます。この例では、labuserがlinux-lab上でコマンドを入力できる状態です。~は、自分のファイルを置く基本の場所であるホームディレクトリを表します。末尾の$は、コマンドと一緒に入力しません。

まず、ユーザー名・ホスト名・OSのバージョンを確かめます。次の3行を1行ずつ実行してください。コンソールで貼り付けできない場合は、手入力します。

入力ユーザー・ホスト名・OSの種類を確認する
実行場所
Linux(VirtualBoxの画面)
アカウント
labuser
権限
通常
作業ディレクトリ
~
whoami
hostnamectl --static
cat /etc/almalinux-release
表示例:9.xの番号や括弧内は、インストールしたバージョンで変わります 入力不要
labuser
linux-lab
AlmaLinux release 9.x (...)
入力管理者権限を利用できるか確認する
実行場所
Linux(VirtualBoxの画面)
アカウント
labuser
権限
sudo
作業ディレクトリ
~
sudo -v

パスワードを求められたら、labuserのパスワードを入力します。sudo -vでは、sudoの認証が通るかを確認します。通常、認証に成功してもメッセージは表示されません。エラーが出ずにプロンプトへ戻れば、この確認は完了です。

更新を適用し、再起動後もログインする

Linuxでは、ソフトウェアをインストール・更新できる形にまとめたものをパッケージと呼びます。その配布元がリポジトリです。dnfは、リポジトリからパッケージを取得し、インストールや更新を行うコマンドです。

ISOの公開後にも更新が提供されるため、実習を始める前に、AlmaLinuxのリポジトリから更新を取得して適用します。

入力更新内容を確認して適用する
実行場所
Linux(VirtualBoxの画面)
アカウント
labuser
権限
sudo
作業ディレクトリ
~
sudo dnf upgrade --refresh

更新対象が表示されたら内容を確認します。続行するか尋ねられたら、yと入力してEnterを押してください。処理が終わってプロンプトへ戻るまで待ちます。接続に関するエラーが出た場合は、後の「インストール・初回起動で困ったとき」を確認してください。

入力Linuxを再起動する
実行場所
Linux(VirtualBoxの画面)
アカウント
labuser
権限
sudo
作業ディレクトリ
~
sudo reboot

このコマンドで再起動するのは、VirtualBox内のLinuxです。再びlogin:が表示されたらlabuserでログインし、sudo -vをもう一度実行して、sudoを使えることを確認します。

シャットダウンして、スナップショットを保存する

スナップショットは、仮想マシンの状態を保存し、後でその状態へ戻せる機能です。次の実習で設定を変更する前に保存しておきましょう。まずLinuxを正常にシャットダウンします。

入力Linuxをシャットダウンする
実行場所
Linux(VirtualBoxの画面)
アカウント
labuser
権限
sudo
作業ディレクトリ
~
sudo poweroff
  1. VirtualBoxの管理画面で、linux-labがPowered Off(電源オフ)になるまで待ちます。
  2. linux-labを選び、Snapshots(スナップショット)を開きます。
  3. Take(作成)を押し、名前を01-clean-installにします。
  4. 説明には「AlmaLinux 9、更新済み、labuserのsudo確認済み」など、その時点の状態を書いて保存します。

これで、Linuxのインストールと初回の動作確認が完了しました。次は、この仮想マシンを起動し、WindowsのPowerShellからSSHで接続する設定をします。SSHを使うと、ネットワーク経由でLinuxを操作できます。

インストール・初回起動で困ったとき

再起動すると、またインストール画面になる

インストール完了後も、仮想ディスクではなくISOから起動している可能性があります。インストールが完了していることを確認してから、VirtualBoxウィンドウのDevices(デバイス)→ Optical Drives(光学ドライブ)でISOを取り出します。その後、仮想マシンを再起動します。

パスワードを入力できないように見える

文字が表示されないのは正常です。ゆっくり入力してEnterを押してください。ログインに失敗した場合は、Caps Lockとキーボードの配列を確認します。

「labuser is not in the sudoers file」と表示される

labuserからsudoを使うための設定ができていない可能性があります。インストール時のUser Creationで、Make this user administratorにチェックを入れたか確認してください。インストール直後で大切なデータがまだなければ、仮想マシンを作り直し、この項目にチェックを入れてインストールし直す方法があります。

dnfでリポジトリへ接続できない

Windows自体がインターネットへ接続できるか、VirtualBoxのアダプター1がNATで有効かを確認します。Linuxでは次のコマンドで接続状態を確認できます。

入力Linuxのネットワーク接続状態を見る
実行場所
Linux(VirtualBoxの画面)
アカウント
labuser
権限
通常
作業ディレクトリ
~
nmcli device status

表示された表のTYPEがethernetの行を探し、STATEがconnectedか確認します。会社のネットワークでプロキシーやVPNを使っている場合は、管理担当者へ接続に必要な設定を確認してください。ファイアウォールやSELinuxなどの保護機能を無効にする必要はありません。

できたことを確認

  • linux-labを起動し、labuserでログインできる
  • hostnamectlの表示がlinux-labで、OSがAlmaLinux 9系になっている
  • sudo -vでエラーが出ず、プロンプトへ戻る
  • 更新と再起動を終え、再びログインできる
  • 正常にシャットダウンし、01-clean-installのスナップショットを作成した

参考資料・対象環境

この教材の対象と確認状況

Windows 11(Intel / AMDの64bit PC)、VirtualBox 7.2系、AlmaLinux 9系を対象にしています。2026年11月8日時点の公式資料を確認して作成しています。画面名はバージョンや表示言語で異なる場合があります。

掲載した出力は読み方を示す表示例です。この版はWindows実機で全手順を通した動作確認は未実施です。研修で使用する前に、ご利用のPC環境で事前確認をお願いします。

AZWorkが独自に構成した実習ガイドです。体系的に学ぶ参考資料として、LPI-JapanのLinuxサーバー構築標準教科書もご覧ください。