VirtualBoxにAlmaLinux 9をインストールする|初回起動とsudoの確認
VirtualBoxで仮想マシンを作り、AlmaLinux 9を手動でインストールします。メモリやディスクの設定、ユーザーの作成、コンソールでの初回ログインから、sudoの動作確認とスナップショットの保存まで解説します。
学習ガイドの目次 第2回 / 全4回
目的別ガイド
AlmaLinuxへlabuserでログインしてsudoを使えることを確認し、実習前の状態をスナップショットとして保存する。
前提:第1回「自分のPCを準備する」までの設定が済んでいること。
この記事の目次
学習用の仮想マシンを1台作る
前回用意したVirtualBoxとAlmaLinux 9のDVD ISOを使い、Windows上の仮想マシンへLinuxをインストールします。WindowsでVirtualBoxを開き、Home → New(新規)へ進みましょう。
設定項目が1画面にまとめて表示される場合は、Basic表示へ切り替えます。項目を順番に設定できる画面になります。
| 項目 | この実習の設定 |
|---|---|
| VM Name/名前 | linux-lab |
| VM Folder/保存先 | 空き容量を確保したPC内のフォルダー。通常は最初に表示される場所を使います。 |
| ISO Image | 前回取得したAlmaLinux 9系・x86_64・DVDのISO |
| OSの種類 | 64bit版のLinux。自動検出されない場合はRed Hat系の9.x/64bitを選びます。 |
| 自動インストール | 使わず、手動でインストール |
| Base Memory/メモリ | 4096MB(4GB)。PC全体のメモリが8GBの場合は2048MBを目安に調整します。 |
| Processors/割り当てるCPUの数 | 2。ホスト(Windowsを動かしているPC)の論理プロセッサ数(スレッド数)の半分を超えないようにします。 |
| Disk Size/ディスク容量 | 新しい仮想ディスクを作成し、上限を30GB、割り当て方式を動的に拡張する方式にします。 |
| Use EFI | 有効。仮想マシンの起動方式として使います。 |
動的に拡張する方式では、Linuxで使った分に応じて、Windows側の仮想ディスクファイルが大きくなります。上限の30GBに加え、後で保存するスナップショットの分も空き容量が必要です。
NATを確認して、インストーラを起動する
- 作成した
linux-labを選び、Settings(設定)→ Network(ネットワーク)を開きます。 - アダプター1が有効で、接続方法がNATになっていることを確認します。この実習では、仮想マシンのネットワークアダプターを1つだけ使います。
- 設定を保存し、Start(起動)を押します。
- AlmaLinuxの起動メニューで、Test this media & install AlmaLinux 9.xを選び、Enterを押します。インストール用ISOの検査が終わるまで待ちます。
- 言語選択画面ではEnglish → English (United States)を選び、Continueへ進みます。
NATは、仮想マシンがホスト側のネットワーク接続を使って外部と通信するための接続方式です。今回はLinuxからインターネットへ接続するために使います。WindowsからLinuxへ接続して操作する設定は、次の記事で追加します。
この連載では、Linuxのメッセージとコマンド結果を英語にそろえます。以下では、画面の英語名に日本語の説明を付けて案内します。
インストール先・キーボード・ネットワークを設定する
Installation Summary(設定一覧)から、次の項目を1つずつ開きます。各画面の設定を終えたら、左上のDoneで一覧へ戻ります。
Installation Destination:インストール先
VirtualBoxで作成した30GBの仮想ディスクを選びます。名前はVBOX HARDDISKなどと表示されます。Storage Configuration(ディスク領域の割り当て方法)はAutomatic(自動)を選び、Doneで戻ります。選んだディスクの容量が、先ほど設定した30GBと一致することを確認してください。
Software Selection:インストールするソフトウェア
Base EnvironmentでMinimal Install(最小構成)を選びます。追加ソフトウェアは選択せずに進めます。この構成にはデスクトップ画面がなく、インストール後は文字で操作します。実習に必要なソフトウェアは、後から追加します。
Keyboard:使っているキーボード
日本語キーボードなら「+」からJapaneseを追加し、一覧の先頭へ移動します。使わないEnglish (US)は削除しても構いません。テスト欄で@や:を入力し、キーに書かれた文字と一致するか確かめます。USキーボードならEnglish (US)を使います。
Network & Host Name:ネットワークとホスト名
表示されたEthernet(ネットワーク接続)を選び、接続をONにします。Host Nameにlinux-labを入力し、Applyが表示される場合は押します。これは、Linuxを識別するための名前(ホスト名)です。IPアドレスは、ネットワーク設定を自動で受け取るDHCPを使って取得します。
Time & Date:時刻
地域をAsia/Tokyoにします。Network Timeが利用できる状態ならONにし、時刻を合わせます。
Installation Sourceは、選んだDVD ISOがLocal mediaとして認識されていれば、そのまま進めます。Security Profileなど、ここで変更を指定していない項目は初期設定を使います。
sudoを使える「labuser」を作る
User Creation(ユーザーの作成)を開き、次の内容を設定します。ここではLinuxへログインするためのアカウントを作ります。
| 項目 | 設定 |
|---|---|
| Full name | Linux Lab Userなど、分かりやすい表示名 |
| User name | labuser |
| Make this user administrator | チェックを入れる |
| Require a password to use this account | チェックを入れたままにする |
| Password/Confirm password | 自分で決めた実習用パスワードを、2回入力する |
Make this user administratorには必ずチェックを入れます。これでlabuserからsudoを使えるようになります。sudoは、必要なコマンドを管理者権限で実行するために使います。普段はlabuserとして操作し、ソフトウェアのインストールなど、システムを変更するときに使いましょう。
rootは、Linuxのシステム全体を管理するための特別なアカウントです。Root Passwordでは、rootアカウントをロックした状態のまま進めます。この連載では、labuserとそのパスワードでログインし、必要なときにsudoで管理者権限を使います。
- インストール先が作成した30GBの仮想ディスクになっている
- Software SelectionがMinimal Installになっている
- User nameがlabuserで、Make this user administratorにチェックがある
- labuserのパスワードを覚えている、または安全に保管した
- Ethernetが接続され、ホスト名がlinux-labになっている
確認を終えたらBegin Installationを押します。完了後はReboot Systemで再起動します。
コンソールからログインし、sudoを確認する
VirtualBoxが表示する仮想マシンの画面を、コンソールと呼びます。ここからは、このコンソールでLinuxを操作します。Minimal Installでは、黒い画面にlinux-lab login:などと表示されるのが正常です。
login:にlabuserと入力し、Enterを押します。Password:が出たら、作成したパスワードを入力してEnterを押します。入力中は文字も「*」も表示されません。- 次のような、コマンド入力を待つ表示が出ればログイン成功です。
[labuser@linux-lab ~]$
この入力待ちの表示をプロンプトと呼びます。この例では、labuserがlinux-lab上でコマンドを入力できる状態です。~は、自分のファイルを置く基本の場所であるホームディレクトリを表します。末尾の$は、コマンドと一緒に入力しません。
まず、ユーザー名・ホスト名・OSのバージョンを確かめます。次の3行を1行ずつ実行してください。コンソールで貼り付けできない場合は、手入力します。
- 実行場所
- Linux(VirtualBoxの画面)
- アカウント
- labuser
- 権限
- 通常
- 作業ディレクトリ
- ~
whoami
hostnamectl --static
cat /etc/almalinux-releaselabuser linux-lab AlmaLinux release 9.x (...)
- 実行場所
- Linux(VirtualBoxの画面)
- アカウント
- labuser
- 権限
- sudo
- 作業ディレクトリ
- ~
sudo -vパスワードを求められたら、labuserのパスワードを入力します。sudo -vでは、sudoの認証が通るかを確認します。通常、認証に成功してもメッセージは表示されません。エラーが出ずにプロンプトへ戻れば、この確認は完了です。
更新を適用し、再起動後もログインする
Linuxでは、ソフトウェアをインストール・更新できる形にまとめたものをパッケージと呼びます。その配布元がリポジトリです。dnfは、リポジトリからパッケージを取得し、インストールや更新を行うコマンドです。
ISOの公開後にも更新が提供されるため、実習を始める前に、AlmaLinuxのリポジトリから更新を取得して適用します。
- 実行場所
- Linux(VirtualBoxの画面)
- アカウント
- labuser
- 権限
- sudo
- 作業ディレクトリ
- ~
sudo dnf upgrade --refresh更新対象が表示されたら内容を確認します。続行するか尋ねられたら、yと入力してEnterを押してください。処理が終わってプロンプトへ戻るまで待ちます。接続に関するエラーが出た場合は、後の「インストール・初回起動で困ったとき」を確認してください。
- 実行場所
- Linux(VirtualBoxの画面)
- アカウント
- labuser
- 権限
- sudo
- 作業ディレクトリ
- ~
sudo rebootこのコマンドで再起動するのは、VirtualBox内のLinuxです。再びlogin:が表示されたらlabuserでログインし、sudo -vをもう一度実行して、sudoを使えることを確認します。
シャットダウンして、スナップショットを保存する
スナップショットは、仮想マシンの状態を保存し、後でその状態へ戻せる機能です。次の実習で設定を変更する前に保存しておきましょう。まずLinuxを正常にシャットダウンします。
- 実行場所
- Linux(VirtualBoxの画面)
- アカウント
- labuser
- 権限
- sudo
- 作業ディレクトリ
- ~
sudo poweroff- VirtualBoxの管理画面で、
linux-labがPowered Off(電源オフ)になるまで待ちます。 linux-labを選び、Snapshots(スナップショット)を開きます。- Take(作成)を押し、名前を
01-clean-installにします。 - 説明には「AlmaLinux 9、更新済み、labuserのsudo確認済み」など、その時点の状態を書いて保存します。
これで、Linuxのインストールと初回の動作確認が完了しました。次は、この仮想マシンを起動し、WindowsのPowerShellからSSHで接続する設定をします。SSHを使うと、ネットワーク経由でLinuxを操作できます。
インストール・初回起動で困ったとき
再起動すると、またインストール画面になる
インストール完了後も、仮想ディスクではなくISOから起動している可能性があります。インストールが完了していることを確認してから、VirtualBoxウィンドウのDevices(デバイス)→ Optical Drives(光学ドライブ)でISOを取り出します。その後、仮想マシンを再起動します。
パスワードを入力できないように見える
文字が表示されないのは正常です。ゆっくり入力してEnterを押してください。ログインに失敗した場合は、Caps Lockとキーボードの配列を確認します。
「labuser is not in the sudoers file」と表示される
labuserからsudoを使うための設定ができていない可能性があります。インストール時のUser Creationで、Make this user administratorにチェックを入れたか確認してください。インストール直後で大切なデータがまだなければ、仮想マシンを作り直し、この項目にチェックを入れてインストールし直す方法があります。
dnfでリポジトリへ接続できない
Windows自体がインターネットへ接続できるか、VirtualBoxのアダプター1がNATで有効かを確認します。Linuxでは次のコマンドで接続状態を確認できます。
- 実行場所
- Linux(VirtualBoxの画面)
- アカウント
- labuser
- 権限
- 通常
- 作業ディレクトリ
- ~
nmcli device status表示された表のTYPEがethernetの行を探し、STATEがconnectedか確認します。会社のネットワークでプロキシーやVPNを使っている場合は、管理担当者へ接続に必要な設定を確認してください。ファイアウォールやSELinuxなどの保護機能を無効にする必要はありません。
できたことを確認
- linux-labを起動し、labuserでログインできる
- hostnamectlの表示がlinux-labで、OSがAlmaLinux 9系になっている
- sudo -vでエラーが出ず、プロンプトへ戻る
- 更新と再起動を終え、再びログインできる
- 正常にシャットダウンし、01-clean-installのスナップショットを作成した
参考資料・対象環境
- Oracle:VirtualBox 7.2で仮想マシンを作成する
- Oracle:VirtualBoxのBasic/Expert表示
- Oracle:仮想マシンの操作とスナップショット
- Oracle:VirtualBoxの仮想ネットワーク
- AlmaLinux:インストールガイド
- AlmaLinux:インストール後のガイド
- AlmaLinux:9.8リリースノート
この教材の対象と確認状況
Windows 11(Intel / AMDの64bit PC)、VirtualBox 7.2系、AlmaLinux 9系を対象にしています。2026年11月8日時点の公式資料を確認して作成しています。画面名はバージョンや表示言語で異なる場合があります。
掲載した出力は読み方を示す表示例です。この版はWindows実機で全手順を通した動作確認は未実施です。研修で使用する前に、ご利用のPC環境で事前確認をお願いします。
AZWorkが独自に構成した実習ガイドです。体系的に学ぶ参考資料として、LPI-JapanのLinuxサーバー構築標準教科書もご覧ください。